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TSUGITE

創作の源は、家具モデラー、宮本茂紀が25年前に組手、継手の工法で製作した椅子型サンプルだった。継手とは、釘を使わずに複雑に切り口を加工した木材同士を接合し組んでいく工法で、神社や家づくりに用いられた。その数、150種以上ある。

合理主義が良しとされる現代において、宮本はその継手から「わざわざ骨を折り、複雑な工法に挑む職人たちの“不合理”から生まれるものづくりの楽しさや美しさが見えてくる」と語る。継手の構造は外側から見えないが、自身の能力や苦労の跡を隠すのは古来、日本人に流れる粋(IKI)な美意識である。

宮本の継手サンプルに触発されたデザイナーの安田喬は、トネリコと浮遊感のあるアクリルを用いて重量のアンバランスさと、日本の美意識と接合面の面白さをあえて表に見せるデザインに挑戦。さらに宮本とアクリル工場の職人の協働によりコンマOミリの削り出しで異素材が組み合わされ、これまでにない継手の美しさが引き出された。日本の誇る継手の魅力をその先の未来へ伝えていくことも、この椅子のコンセプトにある。

EXTERIOR
日本の誇る継手の魅力をその先の未来へ

CREATORS

宮本 茂紀氏・安田 喬氏

五反田製作所グループ代表取締役
椅子張り職人・モデラー

宮本 茂紀

1937年東京生まれ。静岡県伊東市育ち。
芝家具の流れを汲む椅子張り職人として修業を積む。1966年五反田製作所創立。
ヨーロッパ各所の工房で技術研修を受け、帰国後、国内外トップブランド家具のライセンス生産に研究開発段階から関わる。
日本初のモデラーとして、時代の代表するデザイナー、建築家のアイデアを形にしてきた。
迎賓館や白洲次郎氏の椅子など歴史的価値のある椅子や儀装馬車の修復、制作など、確かな技術がなければできない仕事を多く請け負う。

キョウデザイン事務所代表
デザイナー

安田 喬

1962年東京生まれ。
多摩美術大学卒業。空間デザインをはじめ、照明、家具のプロダクトデザイン、 映画の美術監督など領域を超え多岐に渡ってデザインワ―クを行っている。
五反田製作所「HALCANA」ブランドのクリエイティブディレクターでもある。